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ルールセクション の変更点


本ページではこのゲームの基本的なルールを解説する

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*判定方法
このゲームでは6面体ダイスを使用する。
基本的な判定は[能力値]D6+技能レベル+その他補正で求められる
戦闘力2、射撃技能レベル3のキャラクターは2D6+3で射撃判定を行う。
様々な補正の結果ダイスの数が0以下になる場合でも、ダイスの数は最低1個とする。この場合、クリティカルは発生しない。

判定は4種類存在する。
1つは、ある特定の水準に達したかを判定する「基本判定」
1つは、特定の相手に対しての比べ合いを行う「競争判定」
1つは、特定の相手との対決に成否を判定する「対決判定」
最後に、仲間で力を合わせて判定を行う「協力判定」である

基本判定は物を持ち上げるなどの、目標値が変動し得ない(競う相手がいない)判定である。
この判定は、GMが提示する目標値に、判定の達成値が同値ないしそれ以上を出せば成功となる。

競争判定は足の早さを競うなどの、競う相手がおり、その目標値が可変である判定である。
この判定は2者(ないしそれ以上)で判定し、その達成値を比べ合う。この判定には引き分けが存在する。
引き分けのまま終わらせるか、再判定を行うかはGMが決定すること。場合によっては技能レベルが高い方を勝利としても良い。

対決判定は1つの事象に対して能動受動が存在する判定である。
競争判定と基本的には変わらないが、対決判定には引き分けが存在しない。
この判定は対決に参加する2者で判定し、その達成値を比べ合う。同値だった場合、受動側が勝利となる。

競争判定、対決判定は一見区別がしづらいが、GMは受動能動が存在するか否かを線引きとすると良いだろう。

協力判定は主に複数人で手分けしたり、1つのことを共同で行う際の判定である。
例えば、パーティ全員で大きな岩を動かす、手分けして室内に落ちているアイテムを探すなどのシチュエーションで使われる。
これは基本判定の亜種であり、参加するキャラクター全員の達成値を合計することで、最終的な達成値とする。
協力判定を行う際は「判定する技能が同じであること」「参加する全員が同意していること」が必要である。
一人では成し得ないことや、多くの人手を要する際の判定に使うと良いだろう。
また、協力判定ではクリティカルファンブルは、特殊な判定を行う。次項を参考すること。

**クリティカルとファンブル
上記の判定において、「振ったダイス目が2つ以上6が存在する」場合、クリティカルとなる。
クリティカルした場合、その判定の達成値を+10する。また攻撃を行った判定の場合、ダメージを+10する。

「振ったダイスの目がすべて1だった」場合、ファンブルとなる。
ファンブルした場合、その判定の達成値を-20する。GMはそれ以外に致命的な効果が発生するとしても良い。

協力判定の場合、参加した全員のダイスロールの結果を見て、クリティカルファンブルが発生する。
キャラクターAが2D6+1、Bが1D6、Cが3D6+3したとする。
その結果、ダイス部がAが「3、6」、Bが「1」、Cが「1、6、4」であった場合、単体の判定ならばBはファンブルである。また誰もクリティカルはしていないことになる。
しかし、協力判定の場合、「3人が協力して行った判定」として、ダイスを「3、6、1、1、6、4」として見、結果、6が2つ以上あるために、クリティカルとなる。
結果、協力判定の達成値はダイス部分が21、技能部分が+1+0+3で+4、クリティカルで+10となり、最終的に35となる。
協力することで、クリティカルをしやすく、ファンブルを避けやすくするルールとなっている。

*戦闘ルール
戦闘は以下の手順を踏んで行われる。

0:プレバトルフェイズ
1:セットアップフェイズ
2:ポゼッションフェイズ
3:イニシアティブロール
4:アクションフェイズ
5:クリンナップフェイズ
6:エンドフェイズ

次以降で詳細を解説する。

***0:プレバトルフェイズ
戦闘前の準備フェイズ。
戦闘に参加するキャラクターを宣言する。
また、GMは戦闘の勝利条件、敗北条件を決定し、ここで明らかにすること。

***1:セットアップフェイズ
ラウンドの準備段階。この段階ですべてのキャラクターは未行動状態になる。
ここでキャラクターは以下のことが1つだけ行える。
各キャラクターの行動順番は明確には指定しないが、必要ならば先制値が低いキャラクターから解決すること。同値の場合はエネミーからとすると良いだろう。PC同士、エネミー同士の場合はお互い相談して決めること。ラウンドごとに順番が入れ替わっても良い。

・ARMの変更
複数個ARMを所持している場合、ここで切り替えが可能である。

・スキル、魔法の使用
タイミング:セットアップのスキルや魔法を使用できる。

戦闘に参加しているすべてのキャラクターのセットアップの宣言が終わったならば次のフェイズに移行する。

***2:ポゼッションフェイズ
このゲームの特徴的なルールの1つである。
戦闘に参加するキャラクターは6つのポゼッションから1つを選択し、「戦場での立ちまわりかた」を決める。
スキルなどの使用条件にポゼッションが指定されることがある。

・リーン
遮蔽物に身を隠しながら攻撃を行うポゼッション。
1箇所に足を止めているわけではなく、常に都合のいい遮蔽を探し求め移動している。
この状態のキャラクターはそのRの間ブレイクガード(1)を得る。

・ラン
戦場を縦横無尽に走り回り、攻撃や回避を行うポゼッション。
この状態のキャラクターはリアクションのダイスに+1Dの補正を得る。

・オープン
目立つところに姿を表し、堂々と攻撃や魔法を行うポゼッション。
これも仁王立ちではなく、隠れずに敵に向かって移動したりしている。
この状態のキャラクターは行う攻撃の判定とダメージに+5の補正を得る。

・サポート
他のキャラクターをサポートするためのポゼッション。
囮になるために前に出たり、撹乱するために走り回るなどの、補助的な動き。
この状態のキャラクターは、ダメージを与える行動を行えず、自身の行う判定のダイスすべてを-1する(最低1)
また、そのRの間1回のみ以下のいずれかのスキルを使用できる。これらの行動は己の行動を消費しない。
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サポートスキル

《コーポレーション》 コストFP3
味方の行動に合わせて陽動攻撃を行ったり、攻撃を与えるための囮になるなどの連携行動。
戦闘に参加しているキャラクター1体が判定を行う際に使用可能。その判定のダイスに+1Dする。

《ジャミング》 コストFP2
敵の攻撃に合わせて物を投げて妨害する、大声を出して意識をそらすなどの阻害行動。
戦闘に参加しているキャラクター1体が判定を行う際に使用可能。その判定の達成値を-3する。

《カバーリング》 コストFP3
敵の注意を自分一人に引きつける、範囲攻撃を自分の体一つで食い止めるなどの、防御行動。
戦闘に参加しているキャラクター1体が攻撃を行った際に使用可能。その攻撃の対象を自身単体に変更する。
範囲攻撃、複数体攻撃に使用した場合、その対象を自身単体に変更する。

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・ドロークレスト
魔法陣を描き、魔法の発動を補助するポゼッション。
この状態のキャラクターは回避判定・抵抗判定を行えない。
また、そのRの間、以下のスキルのうち1つの効果を自動的に得る。ポゼッション選択時に1つを選択すること

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ドロークレストスキル

《セービング》
魔法を効率よく運用し、少ない力で発動するようにする。
魔法の消費コストを-2(最低1)する

《スタンピード》
魔法を制御できるレベルで暴走させ威力をアップさせる。
魔法のダメージを+1Dする

《マグニフィケーション》
多くの力を注ぎ込み、魔法を拡大させる。
魔法の消費コストを+2し、対象を+1体する

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・クローズ
完全に姿を隠し、身を守るポゼッション。
この状態のキャラクターを攻撃の対象に選ぶときは能動側が知覚判定、受動側が軽業判定の対決判定を行う。
勝利した場合、攻撃の対象に選ぶことが可能となり、敗北した場合は、攻撃の対象に出来ない。この結果行動を失うことはない。
この状態のキャラクターは、対象:自身の行動以外を行えない。

・エスケープ
戦場からの脱出を試みるポゼッション。
この状態のキャラクターはクリンナップフェイズに戦場から逃走する。
また、この状態のキャラクターに対してメジャーアクションを消費し、逃走妨害を宣言することが可能。
逃走妨害を宣言したキャラクターが能動、されたキャラクターを受動とし、対決判定を行う。
能動側は「射撃・白兵・魔法・軽業」のいずれかの技能で判定し、受動側は「回避・生存・軽業」のいずれかの技能で判定する。
受動側が勝利すると、エスケープポゼッションを維持出来るが、敗北すると、エスケープポゼッションからオープンポゼッションに移行する。
また、GMは受動側が馬に乗っている、空を飛べる、有利な地形に立っているなどの状況を見て、これらの判定に補正を与えても構わない。
エスケープ状態だからといって行動を失うわけではない。

上記の6つから任意の1つを必ず選択すること。
GMは何もない荒野などで、リーンやクローズを行えないとしても良いし、閉鎖された空間なのでエスケープが出来ないとしても良い。
それらの制限はプレバトルフェイズで宣言することが望ましいが、エネミーの罠などで退路を塞がれるなど、キャラクターの行動によって戦場が変化する場合などは任意のタイミングでこれらの制限を宣言しても良い。

***3:イニシアティブロール
キャラクターの行動する順番を決定する。
まず、戦闘に参加するキャラクターの陣営ごとの代表者1名が戦術判定を行う。
その戦術判定の達成値+各キャラクターの先制値が、そのラウンドのイニシアティブ値となる。
イニシアティブ値が高いキャラクターから行動を行える。同値の場合はPC優先。陣営内で同値だった場合、相談してそのラウンドごとに行動順を決めて良い。

***4:アクションフェイズ
イニシアティブ値が高い順から行動を行う。
行動はマイナーアクションとメジャーアクションを1回ずつセットで行う。この一連の行動をメインプロセスとする。
マイナーアクションとメジャーアクションの順番は任意とする。キャラクターはマイナー、メジャーアクションのどちらか片方だけを行って残りを放棄することも可能である。もちろん、その両方を放棄しても構わない。
メインプロセスが終了するとキャラクターは行動済みとなる。

メインプロセス開始前に待機を宣言することが可能。
待機を宣言した場合、イニシアティブ値は×-1される。
マイナーアクションやメジャーアクションを行ってから待機を宣言することは出来ない。それらを行ってしまえばメインプロセス中となり、待機の宣言タイミングであるメインプロセス前ではなくなるからだ。

詳しいメジャーアクション、マイナーアクションの解説は後述する。

***5:クリンナップフェイズ
ラウンドの終了処理を行う。
戦闘の続行や終了、バッドステータスの終了、スキルや魔法の効果の終了などもここで行う。
ポゼッションフェイズでエスケープを宣言していたキャラクターがいた場合はここで退却処理が行われる。
また、戦闘に途中から参加するキャラクターがいる場合、ここで宣言すること。
すべての処理が終わり、戦闘が続行する場合、1:セットアップフェイズに戻ること。
戦闘が終了する場合、6:エンドフェイズに移行する。

***6:エンドフェイズ
戦闘終了の処理を行う。
戦闘終了時までのスキルや魔法の効果の終了を宣言すること。
戦闘に勝利した場合、補給状態にあるキャラクターはFPが全快し、バッドステータスもすべて回復する。
敗北した場合、GMは補給状態を失わせるなどのペナルティを与えること。

以上で基本的な戦闘の流れは終了する。
次からはメジャーアクションなどの詳しい解説を行う。

**メジャーアクションとマイナーアクション
メインプロセスの中身となるメジャーアクションとマイナーアクションについて解説する。
メジャーアクションは判定を必要とする行為、またはそれなりの時間を要する行動である。
対するマイナーアクションは、判定を必要としない行為、またはごくごく短い時間で行える行動である。

具体的にそれぞれでゲーム的に行える行動を記述する。

***メジャーアクション
・射撃攻撃、白兵攻撃
所持している武器で攻撃を行う。
・魔法攻撃
魔法攻撃はスキルないし魔法でないと行えない。

射撃攻撃の場合、装弾数が1以上ないと行えない。行った後は装弾数が1減少する。
装弾数1は1回の行動で消費する数であり、必ずしも1発の銃弾とは限らない。サブマシンガンなどで1回の行動で30発撃った描写だとしても、消費する装弾数は1である。
同様にソードでの攻撃もデータ上1回の攻撃でも、演出で2回3回と斬りつけているとしても良い。

・スキルの使用
タイミング:メジャーのスキルを使用する。

・魔法の使用
タイミング:メジャーの魔法を使用する。

・アイテムの使用
タイミング:メジャーのアイテムを使用する。

・妨害行動
エスケープポゼッションを選択したキャラクターに対する妨害判定を行う。

・その他、判定を必要とする行動。
戦闘関連技能、汎用技能を使用した判定。GMが要求した行動。

***マイナーアクション
・リロード
自身が所持しているすべてのARMの弾丸をARMの装弾数まで回復する。
リロードにはアイテムの「弾丸」を1つ消費する。

・精神統一
FPを1回復する。上限を超えて回復することはない。

・スキルの使用
タイミング:マイナーのスキルを使用する。

・魔法の使用
タイミング:メジャーの魔法を使用する。

・アイテムの使用
タイミング:メジャーのアイテムを使用する。

・その他GMが認める行為
アイテムの受け渡しなど、扉の開閉など、GMが相応しいと認めた行為。
判定を必要とする行為はマイナーアクションでは行えない。

**攻撃の処理
攻撃は3つに分類される。
射撃攻撃、白兵攻撃、魔法攻撃である。
これらの攻撃は、メジャーアクションを消費し行われる。
射撃攻撃、白兵攻撃は受動側は回避技能で対抗判定を行う。
魔法攻撃は受動側は抵抗技能で判定を行う。

能動側が対決判定で勝利した場合、命中となり、次のダメージロールに移行する。
受動側が対決判定で勝利した場合、その攻撃は失敗となり、その時点で攻撃は終了する。

射撃攻撃は残弾数が1以上でないと行えない。
またスキルによっては2以上の残弾を要求するものがある。その場合その分だけ弾数を消費する。

***ダメージの処理
ダメージの処理は、受動側のキャラクターによって処理が異なる。
魔獣などのNPCを「HPを持つキャラクター」、PCやPCと同じ手順で作られたキャラクターのことを「HPを持たないキャラクター」とする。

HPを持つキャラクターに攻撃が命中した場合、ダメージロールを行う。
ダメージロールは、武器に設定されているダメージか、魔法で指示されているダメージに、その他スキルやアビリティの補正が加えてダイスを振る。ダメージロールの結果から対象の装甲値を差し引いたものが最終的に与えるダメージとなる。
ソードのARMのスキルには装甲値の一部またはすべてを無視出来るスキルがある。この場合、対象の装甲値をその数値分だけ低いものとして扱い(最低0)ダメージを与える。
装甲値がダメージロールを上回った場合、その攻撃ではダメージが与えられなかったとする。

ダメージロール-装甲値=ダメージ(最低0)
HPを持つキャラクターは、その現在HPからダメージの分だけHPを減少させる。
その結果、現在HPが最大HPの半分以下になると「負傷状態」のバッドステータスを受ける。
HPが0以下になると「瀕死状態」のバッドステータスを受ける。

HPを持たないキャラクターに命中した場合、ダメージロールを行わない。
以後、キャラクターが攻撃を回避、抵抗できず命中した場合を「ダメージを受けた(受ける)」と記述する。
キャラクターはダメージを受けた回数だけバッドステータスを受ける。
無傷のキャラクターが最初にダメージを受けると「負傷状態」のバッドステータスを受ける。
「負傷状態」のキャラクターが次にダメージを受けると「瀕死状態」のバッドステータスを受ける。
「瀕死状態」のキャラクターが次にダメージを受けると「死亡状態」のバッドステータスを受ける。
「死亡状態」のまま戦闘が終了すると、キャラクターは死亡する。
これらのバッドステータスは後述のバッドステータスの項目で解説する。

別の言い方をするとPCなどはHPが3でダメージを受けると1ずつ減少していき、0になると死亡するようなものである。
銃で撃たれたり剣で斬られれば人は容易に死に至る。ファルガイアは厳しい世界なのだ。

***属性
一部の魔法やアイテムの効果で属性を変更する、と記載されたものがある。
攻撃には属性が存在し、魔獣などは特定の属性に対して耐性や弱点を所持していたりする。

PCが行う攻撃は基本的には「無属性」とする。
魔法など最初から属性が与えられているものはその属性、魔法やアイテムで変更された場合、最後に変更された属性がその攻撃の属性となる。
属性は「無・火・水・地・風・雷・光・闇」の8属性が基本的に存在するが、GMはエネミーなどにこれらの8属性以外の攻撃を持たせてもかまわない。

魔獣などの特性に「弱点」「半減」「無効」「吸収」と記述されているものがある。
実際は「弱点:火」「半減:水・風」などのように属性とセットで記述されている。複数の属性がこれらの特性で指定されていることもある。

これらの特性は以下の効果を持つ。
「弱点」:その属性で攻撃された場合、装甲値を0扱いにし、ダメージが2倍になる
「半減」:その属性で攻撃された場合、ダメージが1/2(端数切り捨て)になる
「無効」:その属性で攻撃された場合、ダメージは常時0になる
「吸収」:その属性で攻撃された場合、装甲値を0扱いにし、ダメージの値だけHPが回復する(HP最大値を超えることはない)

***ブレイクガード
前述の通り、HPを持たないキャラクターは死にやすい。
それを補うルールが「ブレイクガード」と呼ばれるシステムである。
キャラクターはポゼッションフェイズでリーン状態になったときや、アイテムの効果により「ブレイクガード(n)」と記述されるグッドステータスを得る(nの中には整数値が入る)
()内の数値はブレイクガードの行える回数であり、複数得る場合、これらの数値は加算される。
例えばバックラーを所持したキャラクターがリーン状態になると、ブレイクガード(2)となる。
ブレイクガードは、キャラクターがダメージを受ける直前に宣言できる。
ブレイクガードを宣言すると、そのダメージを受けなかったことにし、代わりにそのアイテムやリーンに使ったオブジェクトが破壊される。何をガードに使ったかは、PLがその都度宣言すること。リーンしている状態でバックラーから先に壊す必要はない。

映画やアニメなどで、ガンマンが酒場で倒したテーブルを盾に銃撃戦を繰り広げたり、森のなかで木を遮蔽にして戦っていたりしただろう。このルールはその再現である。
PLやGMは、ブレイクガードを行った場合、戦場の状態を加味し、何を盾にしたかを演出すると良いだろう。

ブレイクガードはHPを持たないキャラクターのみが使用できるルールである。
生命力にあふれる魔獣などはこのような小細工をせずとも堂々とPCたちと戦えるのである。
もちろんGMはHPを持つキャラクターにもブレイクガードの使用を許可しても構わない。

**グッドステータスとバッドステータス
キャラクターは特殊な状態に陥ることがある。
これらの特殊な状態のうち、キャラクターに良い補正をグッドステータス、悪い補正をバッドステータスと呼ぶ。
前述のブレイクガードもグッドステータスの1つである。

***グッドステータス
グッドステータスは3つある。
・ブレイクガード
前述参照

・補給状態
アイテムで「渡り鳥セット」を所持している時、自動的にこの状態となる。特にGMから指定されない限り、PCは常に補給状態だと思って良い。
この状態の間はキャラクターは弾丸は無制限に所持しているし、所持金は十分にあり、食料に悩むことはない。
荷物は馬が背負い、荒野を移動するには何も問題はない。ちなみに鉄道などには馬専用のスペースが有り、馬を置いて移動する必要はない。
GMは、遺跡のトラップに引っかかった、盗賊に捕まって身ぐるみを剥がされたなどのシチュエーションに合わせて補給状態の終了を宣言しても良い。その場合、自動的にバッドステータスの無補給状態になる。

・覚醒状態
パーティスキルやGMが指定したイベントなどでPCに付与されるグッドステータス。
効果時間中、キャラクターはあらゆる「コスト」を0として扱う。
また、「負傷状態」のバッドステータスの効果を無視する(受けた負傷状態が回復するわけではない)

***バッドステータス
バッドステータスは6つある
・負傷状態
キャラクターがダメージを受けたときに陥る可能性があるステータス。
この状態のキャラクターは精神統一が行えず、あらゆる攻撃の判定の達成値に-5の補正を受ける。
魔法《ヒール》やアイテムなどで回復できる。

・瀕死状態
「負傷状態」のキャラクターが更にダメージを受けると陥る可能性があるステータス。
戦闘中は魔法《リヴァイブ》のみで回復できる。
戦闘以外だと、手当判定で目標値12を成功するか、街の専門機関で診てもらうことで回復する。
瀕死状態を回復しても、負傷状態が回復するわけではない。

・死亡状態
「瀕死状態」のキャラクターが更にダメージを受けると陥る可能性があるステータス。
戦闘中にこの状態になった場合、目標値10の生存判定を行う。この判定に成功すると「死亡状態」から回復する。
失敗した場合、回復は行えず、戦闘終了後に死亡する。

・無補給状態
補給状態を失ったキャラクターがなる状態。渡り鳥セットのアイテムすべてを失う。
GMはこの状態になると宣言する際に、手元に残ったアイテムを選択すること。
基本的には弾丸×2と食料1程度とするのがよいだろう。
渡り鳥セットに含まれないアイテムは失わないが、重量制限以上のものを持ち出せないため、取捨選択をPCに求めること。
シナリオ終了時、またはシーン終了時に無補給状態から回復が可能だと判断した場合に回復する。
馬などは、同じものが戻ってきたとするほうが良いだろう。しかし殺されたなどで新しい馬に変えるのもやむを得ないことだ。

・視界不良状態
光量が不十分、霧の中にいる、泥をかぶったなど、視界が不十分な状態。
GMがシーンの効果として全体に適用するか、エネミーのスキルなどで付与される。
この状態のキャラクターは、あらゆる攻撃の判定のダイスが-1Dの補正を受ける。
また、視界不良状態のキャラクターは逃走妨害を行えない。
GMは解除の条件を設定すること。
光量が足りない場合は、ランタンを使用することで(要マイナーアクション)、泥などをかぶった場合は、それを拭い去ることで(要マイナーアクション)解除できるとすると良いだろう。
基本的にマイナーアクションで対策が取れるとするが、霧などの対応のしようがない場合は解除不能としても良い。

・萎縮状態
キャラクターが緊張や恐怖に覆われ、思うように行動できない状態。
ポゼッションでランを選択できなくなり、あらゆる「コスト」が+1される。
さらに、HPを持つエネミーの場合は、回避と抵抗判定の達成値に-5される。
GMがシナリオの展開によりPCに与えたり、エネミーのスキルなどで付与される。
メジャーアクションで目標値10の意思判定に成功するか、スキル、魔法で解除できる。

*スキルや魔法
スキルや魔法に設定されているデータの解説を行う。

***FP
フォースポイントの略で、このゲームでは他のゲームで言うMPとして扱う。
スキルや魔法にはコストが設定されている。
これらを使用する際に、現在FPからコストに記述されている分だけ現在FPを減少させる。
この際、現在FPがマイナスになるような消費は出来ない。
FPは0になっても気絶するなどのペナルティはない。

***射程
このゲームでは射程は1~3の数値を取る。
戦闘に参加しているキャラクターは基本的に他の参加しているキャラクターすべてを攻撃対象に選択できる。
ワイルドアームズ3の「クロスファイアシークエンス」のように常に戦場でキャラクターは移動し続け、敵との距離は揺蕩うものとなっているからである。敵を斬るために接近を試みるし、斬られないために距離を取るのも戦場では自然な行為だ。

射程1は戦場内のキャラクターすべてが対象となる。
射程2以上だと「狙撃戦闘」が発生する可能性がある。
基本的には射程1でも、ほぼすべての戦闘で攻撃を行える。

スキルの射程に「武器」と記述されている場合、その判定に使用するARMの射程を適用すること。

***対象
スキル、魔法の対象には2体以上になるものがある。
この場合、戦闘に参加しているキャラクターから任意の対象の数以内のキャラクターを選ぶ。
必ずしも上限まで選ぶ必要はない。対象が4体で2体のみを対象としても良い。
同様に「敵全体」「味方全体」という対象もあるが、これも任意のキャラクターを除外しても構わない。
敵や味方の区別はスキル、魔法を使用するキャラクターの自由に行って良い。

*その他特殊なシチュエーションのルール
以下に限定的な状態で発生するシチュエーションにおけるルールを記述する。

**不意打ち
相手が気付いていない状況での不意打ち攻撃に関するルールである。
GMは、シーン進行中、不意打ちが成立すると判断した場合、不意打ちを認めても良い。
不意打ちは2つのレベルが存在する。以下にそのデータを記載する。
また以下で攻撃を仕掛けた側を能動側、仕掛けられた側を受動側を記述する。

不意打ちレベル1
対象が警戒をしている中に行う不意打ち。
対象が既に武器を構えている、敵がいると仮定して警戒行動をとっているなどの状況で先手を取るための攻撃である。
基本的に通常の戦闘と同様の処理を行うが、受動側の1R目の行動に制限がある。
受動側はポゼッションは「なし」扱いになり、ポゼッションによるメリット、デメリットをすべて受けない。
また、イニシアティブロールを行えず、イニシアティブ値は自動的に0になる。
それ以外は通常の戦闘と同様に扱うこと。

不意打ちレベル2
対象が一切警戒していない状態で行う不意打ち。
対象が武装を解除している、食事中など、戦闘とは無縁の状況下で相手を制圧するための攻撃である。
この状況での不意打ちは以下の特徴を持つ。

1:受動側は一切の防御行動を行えない。
能動側が行う攻撃はすべて命中する。
また能動側はこの際に与えるバッドステータスを「負傷状態」か「瀕死状態」のどちらかを自由に選べる。対象がHPを保つキャラクターの場合は、通常通りダメージを計算して適用すること。

2:1R目は受動側は一切の行動を行えない。
受動側は1R目は行動済みとなり、行動が行えない。

2R目以降は通常の戦闘と同様に進行することになるが、GMは適当だと感じた場合、受動側の装備、ポゼッションなどの制限を行っても構わない。

GMは基本的には不意打ちはするほうもされるほうもレベル1にとどめておくほうが良いだろう。
PCに対してレベル2を常に意識付けることはストレスを与えることになる。よほど命を狙われているときでない限りは宿は安全だとするべきだろう。
しかし、ルールとして存在することで、「首ナイフ問題」を解決する一助となるだろう。GMはシーンを盛り上げるために効果的に使用するようにしてもらいたい。

**狙撃戦闘
敵が接近する前に、射程の長い武器で事前に敵にダメージを与える行為である。
GMは、戦闘を行う際、十分に準備ができていると判断した場合狙撃を認めて良い。
狙撃戦闘は射程2の狙撃戦闘と、射程3の狙撃戦闘の2つが存在する。
狙撃戦闘は基本的には通常の戦闘と同様の処理を行うが、以下の点が通常の戦闘と異なる。

共通の変更点
・ポゼッションフェイズのルールが変更される。
陣営ごとにポゼッションフェイズの最初に「ムーブ」を決定する。
ムーブは3つあり以下の制限が発生する。
キープ:リーン、オープンまたはクローズのみ選択可能
チャージ:ラン、オープンのみ選択可能
エスケープ:エスケープのみ選択可能
これらは陣営に所属する全員に同じ制限を与える。
1人だけ我慢できずに突撃する事は自殺行為だからだ。GMが認めるならばその限りではないが、極力認めるべきではないだろう。
その場合の処理はGMがその場の状況に合わせて行うこと。
また、エスケープを選択した場合、敵対陣営は逃走妨害を行えない。

射程2の狙撃戦闘の場合
・敵に対して射程1の行動が行えない。
敵味方の距離が離れているために、敵に対して射程1の攻撃は行えない。
あくまで離れているのは敵との距離なので、味方に対して行うのは構わない。

・狙撃戦闘の終了
ポゼッションフェイズでどちらかの陣営または両方がチャージを行った場合、そのRで狙撃戦闘は終了する。
クリンナップフェイズまで処理した後に、通常の戦闘の処理に移行すること。
この場合、セットアップフェイズから通常戦闘を開始する。
両者がキープを選択した場合、双方の距離は縮まることはないので、そのまま狙撃戦闘が続行される。

射程3の狙撃戦闘の場合
・敵に対して射程2以下の行動が行えない。
敵味方の距離が離れているために、敵に対して射程2以下の攻撃は行えない。
あくまで離れているのは敵との距離なので、味方に対して行うのは構わない。

・狙撃戦闘の終了
GMは双方の距離を任意に定義する。2以上5未満とするのが良いだろう。
例えば双方の距離を3と定義した場合、チャージの選択回数が両陣営合わせ3回以上になったRに狙撃戦闘が終了する。
このルールに従うならば、射程2の狙撃戦闘は双方の距離を1と定義づけられていることになる。

GMは狙撃戦闘の場合、両陣営に等しく攻撃判定に命中補正を与えてもかまわない。
強風や悪天候、暗闇などの条件を加味し、任意に与えること。

また、両陣営の間に深い谷がある、船と船の間があって接近は出来ない、という状況だと判断した場合、チャージの禁止を宣言しても良い。

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