ワイルドアームズRPG・六面体の荒野 *** 公開データ 以後はPLにプレイ時公開するデータである。 *** ハンドアウト PC1 推奨ARM:ハンドガン  君は荒野を征く渡り鳥だ。…正確には駆け出しの渡り鳥だ。  故郷に別れを告げ、なけなしの金でファルガイア鉄道に乗り込んだ。  目的地はウェスト・ウェイポイント。その近辺の遺跡にお宝が眠っているという情報を得たからだ。  セントラルシティを出発し2日ほど経過し、昼食時間だと食堂車両に向かう最中に事件は起こった。 PC2 推奨ARM:ソード  君は銃使いが多い渡り鳥の中でも異色の剣士だ。  ある日アイアンロックには質の良い武具を作る職人が多いと聞き、居ても立ってもいられず、列車に飛び乗った。  その道中、後1日でアイアンロックに到着しようと言うところで、列車は強い衝撃と同時に停車した。  見ると盗賊と思しき連中が列車に侵入してきたではないか。  君はため息を付き、剣を抜いた。 PC3 推奨ARM:アミュレット  君はPC4とコンビを組む渡り鳥だ。  ある日君はファルガイア鉄道の職員と名乗る男から依頼を受けた。  あるお宝を列車で運ぶ必要が出たため、その護衛として雇われないか、という仕事だ。  簡単な仕事だ。自分たちが護衛するなら間違いない。太鼓判を押して君は列車に乗り込んだ。 PC4 推奨ARM:ライフル  簡単な仕事だな。相棒は笑顔でそう言った。嫌な予感はしていた。  終わったら山盛りのヤキソバ食おうぜ。そうとも言った。やめろ、フラグを立てるな。  強い衝撃を受け、客室内を転がり、起き上がったときには、目の前から守るべきお宝は消えていた。  畜生。わかっていた。わかっていたよ。君は視界の端から逃げ去る盗賊らしきものを追いかけるためARMを構えた。 レギュレーション 作成したての初期キャラクターを使用。 推奨ARMは指定されているが、必ずしも必須ではない。 PC3、4はコンビを組む設定であるが、トニーというNPCが3人目の仲間として登場する。 トニーはOPで負傷するので、シナリオに絡むことはない。 *** GM用データ 以後はプレイヤーには公開しないデータである。 *** シナリオ概要 PC4人が乗った列車が野盗の襲撃を受けて、運搬している宝が奪われる。 襲撃により破損した機関部の修理の間、車掌はPCたちに宝の奪還を依頼する。 野盗を追跡し、アジトを襲撃すると、野盗にはブレインがいることが判明する。 黒幕は輸送される宝が古代のゴーレムを動かすキーであることを知り、それを奪いゴーレムを操ることを企んだ。 PCが宝を奪還し持ち帰ると、機関部の修理は完了していて、シナリオは終了となる。 OP1 登場PC:PC1 ファルガイア鉄道に乗り込み、セントラルシティをでて2日近く経過した昼ごろ。 PC1が食堂車両に移動し、昼食を取ろうという時間帯。 客室から隣の食堂車両に移ろうと思ったところで知覚判定を行う。判定のチュートリアルとして、丁寧に説明すること。 知覚判定は知性力依存の判定である。知性力の値がダイスの数で、知覚技能の値が補正値となる。知覚技能は汎用技能の中にある。 難易度は6。成功した場合は車両間を移動しようとしたところ、外にこちら側に向かって動く集団を発見する。 集団は野盗の群れであり、馬に乗りこちらに向かって接近していることを知覚できる。 失敗した場合は、GMは天運を使うかどうかを説明すること。天運はすべてのキャラクターが初期状態で1レベル持っている技能である。 天運は使用すると判定を振り直すことが可能である。ここはそこまで重要な場面ではないことを説明し、進行を促すと良いだろう。 また、判定の達成値で8以上を出した場合、その先頭の人間がランチャーを構えて先頭車両を狙っていることを把握できる。 彼からランチャーが放たれ、衝撃に包まれたところでシーンをカットすること。 判定に失敗した場合は、食堂車両に入り、注文して料理が出てきた、というタイミングで衝撃が来る。 OP2 登場PC:PC2 衝撃が走り、列車が停まったところからシーンが開始される。 2人の荒くれ者が車両に乗り込んできて、「金目の物をだせー」と銃を天井に向けて撃っている。 盗賊はPC2には気づいておらず、客のつけている指輪などを強奪している。 攻撃を宣言するだけで1人は倒れ、もう1人はそれを見て逃走する。 逃走した盗賊を追いかけようと外に出るならば、外には盗賊の一団が居たとしてシーンを終了させること。 外に出るつもりがないようならば、怪我をした男が車両に入って来て、PC2に協力を求める。 男はトニーと名乗り、PC2を見て腕が立つようだ、協力してくれないかと言い、外に仲間がいる、助けてやってくれないか、と依頼する。 そこまで言うとトニーは倒れこみ、シーンはカットされる。 OP3 登場PC:PC3、4 回想シーン。3日ほど前のセントラルシティ、ファルガイア鉄道の事務所の1室。 PC3と4…それとトニーの前にアタッシュケースが置かれている。 一同を前に、鉄道の職員が依頼を始める。 職員「今回あなた達に依頼したいのはこのケースの中身の護衛です。」 職員「これをウェスト・ウェイポイントまで無事に運ぶことが仕事となります。」 職員「中身に関しては答えることは出来ませんが…そうですね。値段をつけるとしたら、あなた達に20年ほどタダ働きしてもらっても足りません。」 トニー「なぁに、見張ってりゃいいだけだろ? 簡単な仕事だぜ。」 フラグを建てたところでシーンをカット。そのままOP4へ。PCが3人の場合、そのままOP3として続行する。 OP4 登場PC:PC3、4 強い衝撃と共にPC3、4とトニーが転がったところからシーンを開始。 PC4が慌てて立ち上がると、目の前にはアタッシュケースを抱えた男が立っている。 PCたちに視線を向け、次の瞬間には割れた窓から飛び出し、逃げていく。 攻撃を加えようとする場合、転がった衝撃でARMを手放してしまった、とすること。 ちなみにトニーは積んであった木箱に突っ込み、足だけが犬神家のように突き出ている。 引っ張りだすと、腕を怪我したようで、「俺は助けを呼んでくる。お前たちはケースを!」と隣の客室まで移動していく。 PC3、4が外に出たならば、シーンカット。 *** ミドル1 登場PC:全員 主目的:戦闘チュートリアル。 PC1が外に出てきたところからシーンをスタート。 盗賊のリーダーが馬で逃走を行おうとしている。 PCたちが出てきたところを見て、部下に時間を稼げと命令し、逃走。 なし崩し的に全員が巻き込まれるように誘導しよう。 エネミーとの戦闘。チュートリアル戦闘になる。 エネミーの数は3体。中隊長1体とゴーレム1体。雑魚兵1体。PCの人数が3人以下の場合は雑魚兵を削ること。 中隊長や雑魚兵は魔獣ではないが、集団のためHPを有する。 データは以下に記述する。 中隊長 エネミーレベル:3 種族:人間 最大HP:10 装甲値:5 先制値:3 戦闘力:2 射撃3 白兵0 回避1  魔法力:1 魔法0 抵抗1 運動力:2  知性力:2 戦術1 生活力:1  社交力:1  スキル: 《範囲攻撃:2》:このキャラクターが行う攻撃の対象を+[2]体する。 中隊長が持つランチャーのARMの効果。同時に3体のキャラクターを対象とする。 演出:「モヒカンの」「ロケットランチャーを構えた」「下品な表情」の男。ゴーレムと雑魚兵をPCたちにけしかけてくる。 この中隊長の他に10人ほどの部下を引き連れているために、HPを持つ。 ランクDゴーレム エネミーレベル:5 種族:ゴーレム 最大HP:30 装甲値:15 先制値:2 戦闘力:3 射撃0 白兵5 回避0  魔法力:1 魔法0 抵抗3 運動力:2  知性力:1 戦術1 生活力:1  社交力:1  スキル: 《弱点:雷》:その属性で攻撃された場合、装甲値を0扱いにし、ダメージが2倍になる 《半減:無》:その属性で攻撃された場合、ダメージが1/2(端数切り捨て)になる 《バッドステータス無効:視界不良状態》:このキャラクターは視界不良状態のバッドステータスを受けない。 演出:「巨大なハンマーを持った」「身長2mほどの」「鉄で出来た」ゴーレム。 ゴーレムとしては最下級のもので、様々な遺跡で同型のゴーレムを見ることができる。 雑魚兵 エネミーレベル:1 種族:人間 最大HP:15 装甲値:0 先制値:1 戦闘力:2 射撃3 白兵0 回避0  魔法力:1 魔法0 抵抗0 運動力:1  知性力:1 戦術1 生活力:2 料理1 社交力:1  スキル: なし 演出:10人ほどのチンピラの群れ。数だけはいるためHPを持つ。 集団なので隠れ潜んだりは出来ない。 勝利条件は、エネミーの全滅、またはゴーレムの破壊。 ゴーレムを破壊した場合、中隊長は降伏する。 全滅させた場合でも中隊長は生存しており、情報提供者となる。 戦闘が終了したならば一度シーンを切ること。 *** ミドル2 登場PC:全員 主目的:パーティの結成・任務の受諾。 戦闘終了後、中隊長を捕虜とし、鉄道の車掌と会話をする。 車掌と、鉄道スタッフは、ランチャーにより破損した機関部の修理を行っている。 PCが戻ってくると、トニーが宝を奪われたことを説明している。 車掌は機関部の修理の間に取り戻してくれとPC1、2に依頼する。 PC3、4にも、輸送計画は極秘であったため、想定を超えた状況なので追加の報酬を払う旨を説明。 トニーは足を骨折をしており、ついていくと足手まといになることを伝え、列車の守りを行う。 鉄道側にも警備スタッフはいるので、多少の襲撃程度ならなんとかなる。 ゲーム的には通貨の概念はないため、報酬はフレーバーになる。 PLが何らかのゲーム的な有利を求めるならば、ARMの改造ポイントを与えると良い。その場合、経験点2点ぶん程度が目安となる。 この段階からパーティの結成となるため、本来先の戦闘はパーティスキルの恩恵は受けられない。 しかし処理の簡略化のため、常時効果を与えておくと良いだろう。そぐわないとGMが判断した場合はその限りではない。 PCが盗まれた宝の正体を知りたがる場合、交渉・魅力などで判定を行わせるといいだろう。その場合の目標値は5となる。 成功した場合は宝はルインズコアと呼ばれる古代文明の宝であることを教えてくれる。 遺跡や古代の機械類を動かす動力源のようなもので、研究を行っている学者の下へ輸送する予定だった。 また、類似したアイテムが鉄道の動力源にも使われている、と説明する。 捕虜の尋問に関してはこれといった判定は必要ない。 ここから馬で数時間西に移動したところに、アウトローの集落があり、そこを拠点にしている盗賊だと教えてくれる。 3週間ほど前に、一人の男が盗賊のリーダーを訪ねてきて、襲撃計画を持ちかけてきた。 男はカーマと名乗り、彼らに簡易ゴーレム(ランクDゴーレム)を操るすべを与えた。 目的は不明だが、部屋に様々な機械を運び込んでおり、おそらくそれが宝と何か関係があるのだろう、と捕虜は言う。 盗賊団の人数は40人(エネミー4ユニット)程度。それに加えてゴーレムが戦力としている。 盗賊のボス・チューヴォス:「片目に眼帯をつけた」「汚らしいコートを羽織った」「いかにも中ボス風の」男 黒幕・カーマ:「白衣を着た」「痩身矮躯の」「黒い長髪の」男 捕虜から得られる情報は以上である。 出発前などに、1度だけ調達判定を行っても良いとする。 PCの馬などは貨物室にあり、それらを引っ張りだし、捕虜から得た集落へ向かおう、というところでシーンをカット。 戦闘や状況説明なのでOPの昼から夕方に時間は推移している。GMは夕日に向かって馬を進めるPCを描写するなどすると良いだろう。 アニメやゲームならば、タイトルロゴと共にOPテーマの口笛バージョンが流れるところである。 *** ミドル3 登場PC:全員 主目的:街への潜入。 場所は集落が見おろせる丘。日は沈み、集落はいくつかの明かりが灯る程度で、暗闇となっている。 珍しく、天候が悪化し遠雷がなっている。直に雨がふるかもしれない。 そのため、このシーンは登場しているキャラクター全員が、基本的に視界不良状態のバッドステータスを受けている。 この解除には、ランタンなどの明かりを使う、パーティスキルや魔法などを使うなどが必要である。 集落は崖に囲まれた盆地にあり、入り口は1箇所である。 しばらく観察を続けていると、集落入口に2人の見張りがいる程度で、あとはほとんどが室内にいることがわかる。 GMは以下の選択肢を提示すること。 1:見張りを狙撃し、潜入する。 2:背後に周り崖から潜入する。 3:見張りを暗殺または隠密でやり過ごし、潜入する。 4:正々堂々正面から襲撃する。 5:しばらく様子を見る。 1は射程2以上の武器、魔法が必要。 2は軽業判定が必要。 3は戦術、回避、軽業の任意の判定が必要。 4は40人+αと戦闘する可能性があると伝えること。 またGMはPLがそれ以外の選択肢を提示するならば、それについて必要な判定を行わせると良いだろう。 火をつけるなどの行為をしようとした場合、焼けた中から目的の宝を探すのは難しいのではないか、と回避を促すと良いだろう。そもそも、破損の可能性もある。 1:狙撃パターン 狙撃の場合は、射程が2以上あるキャラクターが判定を行う。 攻撃を行い、達成値が13以上で命中となる。 この際、2ラウンドぶんの射撃が行える。イメージとしては、1R目の最後に射撃し、2R目の先手でもう1度射撃すると言う感じ。 視界不良状態の場合、攻撃のダイスは-1Dされるので気をつけること。 《リフレッシュ》などで視界不良状態を回復してもよい。その場合、1回の使用で2射ぶんの効果を得ても良いとする。ただし、2人に使用する場合は2回使用すること。 PLは以下の点を疑問に思うだろうので、回答をすること。 ・(狙撃できるキャラクターが1人の場合)同時に倒せない>その場合2回判定してもらう。1ラウンド目で1人、2ラウンド目でもう1人が警鐘を鳴らす前に狙撃。 ・銃声は警戒を呼ぶのでは?>遠雷に紛れてごまかせるものとする。 ・片方しか倒せなかった場合は?>残りが警鐘を鳴らし、全員が警戒状態になる。正面から襲撃に移行。 狙撃が成功した場合、見張りは無力化されて、潜入が可能になる。その旨を伝えてシーンカットすること。 2:崖からパターン 戦闘を避け、崖を移動するパターン。パーティ全員が軽業判定を行う。 難易度は8。失敗したキャラクターは激しい音を立てて崖から転落する。負傷状態となり、音で集落が警戒する。 全員が成功した場合はそのまま集落に潜入できる。 誰か1人でも失敗した場合は、正面襲撃パターンと同じく、全員との戦闘になる。 3:暗殺パターン 誰か1人、または2人で見張りのもとに忍び寄り無力化し、安全を確保する。 戦術、回避、軽業の得意な任意の1つの判定を行う。達成値9以上で成功となる。 見張りは殺害してもよいし、ロープなどで縛り付け無力化するだけでも良い。 失敗した場合は、生存、工作または芸術で判定を行う。難易度5に成功した場合、発覚を誤魔化すことができる。その場合再び潜入の判定を行える。 ここでも失敗した場合、潜入が発覚する。全員との戦闘パターンに移行すること。 4:正面襲撃パターン 雑魚兵4・ゴーレム3との戦闘を行う。 この戦闘は撤退を認めても構わない。その場合、ポゼッションでエスケイプを選択させること。 戦闘が終了したならば、ミドル4の潜入のシーンへ移行すること。 5:待機 荒野に恵みの雨が降る。 雨によりそれぞれの行動の難易度が変化する。 狙撃は難易度が上昇。難易度が+2される。 崖からも難易度は+2されるが、負傷以外のペナルティを受けない(音により発見されない) 暗殺は難易度が-2される。 正面からの行動に変化はない。 GMはPLが案を決めかねている場合は、このまま待機すると、天候が変わりそうだということを伝えて楽な方に誘導すると良いだろう。 上記の選択以外にもPCが相応しいと思える行動を取る場合は、GMが適時判定を行い、処理をすること。 集落の外に爆弾を仕掛け陽動作戦を行う、見張りを釣り出すなど、様々な潜入パターンが有るだろう。 潜入が完了するか、戦闘が終わるとシーンは終了する。 *** ミドル4 登場PC:全員 主目的:ボスの発見。 集落に潜入。日が沈んだ上に、雨が近いこともあって、外を出歩くものはいない。 PCは集落を隠密行動しながら探索を行う。 全員に知覚の協力判定を行わせること。協力判定は新規に追加された判定ルールである。 ここに判定方法を説明する。 基本的には「参加した全員の達成値を合計する」で構わないが、クリティカルファンブルのルールが特殊である。 全員が振ったダイスを1つの判定として、クリティカルファンブルが発生する。 キャラクターA~Cが知覚の協力判定を行ったとする。 Aのダイスロースが「2D6+1」で、出目が「3と6」 Bのダイスロースが「1D6+0」で、出目が「1」 Cのダイスロースが「3D6+3」で、出目が「1、6、4」 これが個別の判定ならば、Bはファンブルで達成値-20を受け、残りは誰もクリティカルしていない。 しかし協力判定の場合は、これを「6D6+4」として見ることが出来、出目は「3、6、1、1、6、4」となる。 結果、2つ以上の6が発生し、判定はクリティカルとなる。達成値は21+4+10で35だ。 このように、このゲームでは協力することで、ファンブルの確率を減らし、クリティカルの確率を上げる事が可能である。 協力判定は1つの事象に対して、手分けして行う、協力して行う場合に認められる。 前のシーンの崖から降りる判定は、「1人の判定が4つある」だが、こちらは「1つの判定を4人でしている」というわけだ。 知覚判定の難易度は2段階あり、10以上と16以上となる。これはPLが4人の場合であり、1人少なくなるごとに難易度を-2すること。 10以上を出した場合は、ボスのものと思しき家を発見する。 窓からだと、多くの機械に囲まれており、その詳細を把握することは出来ないが、捕虜から聞いたボスやカーマの人相と似た人物が部屋を動いているのが見える。 また、外からだと中身までは聞こえないが会話をしているのもわかる。 時間をかけても、中の様子はわからないとし、PCに突入を促すこと。 16以上の達成値がでた場合、先に下記のシーンを処理する。 16以上を出した場合、更に別に気になる家を発見する。 外から強固な鍵をつけられ、窓枠に板を打ち付けられた、何かを監禁しているかのような家である。明かりは灯っており、人がいるのは確実である。 鍵は知能または工作判定で5以上で解錠。剛力判定で9以上で引きちぎる。または攻撃で10以上のダメージで破壊できる。 中に入ると女性が一人本を読んでいる。女性は名をグレイスと言い、首都でコアの研究をしていた研究員だと明かす。 グレイスは「ややぽっちゃりとした」「上品なドレスを着た」「赤茶色の美しい長い髪」の女性で、貴婦人という言葉がピッタリの女性だ。 カーマによって拉致され、協力を強いられているようで、研究で必要な時以外はこの部屋に閉じ込められている。 彼女は脱出を望むが、同時にコアの奪取も望んでいる。 カーマは強力なゴーレムを発見し、それを動かすために研究をしていた。アレを意のままに操れるならば、相当な脅威だ、とグレイスは言う。 君らがボスとカーマを何とか出来るならば、自分も一緒に脱出すると言い、それまではここで待つようだ。 グレイスからの情報を得、または得られずにボスの部屋に突入すると、シーンは終了となる。 判定に失敗した場合は、更に時間をかけて調査した、ということで、再判定をさせること。 15以下の達成値だった場合も、PLが望むなら再調査させても良い。 GMは再調査した回数をメモしておくこと。時間をかけただけ、ラスボスの能力値が上昇する。 *** ミドル5、ときどきGMシーン。ところによりクライマックス。 登場PC:全員 主目的:ラスボスの撃破 PCがボスの部屋に突入したところからスタート。 ドアを蹴破り中に侵入した、など演出を行う。 中には盗賊のボス、チューヴォスが一人でいる。また部屋の奥の床に地下に通じる隠し階段のようなものが見える。 チューヴォスはPCの姿を確認するやいなや、腰の剣を抜き、PCに向け、そして階段向こうの人物に叫び声を上げる。 ボス「カーマ! 侵入者だ! 俺が時間を稼ぐ、早くゴーレムの起動を!」 「分かった! すぐに起動する! 危なくなったらこっちに逃げてこい!」 そのようなやりとりをした後に、1ラウンドの戦闘を行う。 チューヴォスはHPを持たないエネミーで、剣豪である。 データは以下のとおり。 盗賊のボス・チューヴォス エネミーレベル:5 種族:人間 最大HP:なし 装甲値:なし 先制値:4 戦闘力:2 射撃0 白兵4 回避4  魔法力:1 魔法0 抵抗1 運動力:2  知性力:2 戦術2 生活力:2 料理3 工作1 社交力:1  スキル: 《なぎ払い》:<白兵>攻撃を行う。命中-2(2D6+2) 対象4体 《早撃ち》:<白兵>攻撃を行う。命中+6(2D6+10) 《弾丸斬り》:<白兵>技能で回避。回避+2(4D6+6) アイテム:バックラー(1)ラッキーコイン(1) 戦術:ポゼッションはラン固定。ラン状態はリアクションの達成値に+2Dがつくので抵抗も+2Dである。 回避特化型ではあるが、命中した場合は、バックラー、コインでブレイクガードを行い、時間を稼ぐ。 1Rのみの戦闘なので、基本はなぎ払いを使用。早撃ちは使用しない。 演出:室内を縦横無尽に走り回り、弾丸を剣で切り払い、無数の斬撃を繰り出す。 バックラーはテクスチャを剣の鞘に変更。 1R目のクリンナップが終了した段階で、戦闘は一時中断となる。 チューヴォスは「多数に無勢だ」と階段を降り、カーマとの合流を図る。 それをPCが追いかけたところでGMシーンを挟む。 ・・・GMシーン・・・ 階段を降りた先、そこに鎮座しているのは身長3m近くの巨大なゴーレムであった。 その前に立つのはカーマ。その手にはコアが握られていて、今まさに、ゴーレムに投入されるという瞬間である。 彼がコアをゴーレムにセットすると、瞬く間にエネルギーが充填され、長く眠りについていたゴーレムは起動を始める。 「ふはははは! やはり私の研究は間違っていなかった!」 興奮し、高らかな笑いが止まらないカーマ。 巨人は立ち上がり、その眼からは鋭い光が溢れる。 「よし、ゴーレムよ! 私、カーマ・セイヌが貴様の主だ! まずは侵入者を一人残らず排除しなんだと!?」 ・・・ここまで・・・ PCたちがチューヴォスを追いかけて辿り着いた先には1体のゴーレムが。 床には赤いシミが出来上がっていて、チューヴォスがゴーレムと対峙している。 「そんな…そんなバカな、ぐあーーー!!」 ゴーレムから放たれれるビームにより倒れるチューヴォス。 PCたちに狙いを定めるゴーレム。 最終決戦である。 ランクBゴーレム・エンシェントゴーレム エネミーレベル:7 種族:ゴーレム 最大HP:220 装甲値:15 先制値:3 戦闘力:2 射撃3 白兵3 回避0  魔法力:3 魔法4 抵抗2 運動力:1  知性力:1 戦術5 生活力:1  社交力:1  スキル: 《ボス属性》:このキャラクターは任意のパーティスキルを任意のレベルで所持する。 《弱点:雷》:その属性で攻撃された場合、装甲値を0扱いにし、ダメージが2倍になる 《無効:火》:その属性で攻撃された場合、ダメージは常時0になる 《バッドステータス無効:視界不良状態》:このキャラクターは視界不良状態のバッドステータスを受けない。 《バッドステータス無効:萎縮状態》:このキャラクターは萎縮状態のバッドステータスを受けない。 《凶暴化:1》:このキャラクターは負傷状態になると、戦闘力が+[1]される。最大3レベルまで。 《範囲攻撃:1》:このキャラクターが行う攻撃の対象を+[1]体する。 《命中強化:2》このキャラクターが行う攻撃の判定の達成値を+[6]する。 《魔法使用》:このキャラクターは任意の魔法を任意のレベルで取得している。ただし、FPの管理は行わない。 《追加攻撃:2》:任意のタイミングで使用可能。メジャーアクションを行う。この行動で行動済みにはならない。このスキルは1シナリオに[2]回、1Rに1回使用可能 《セイント》:聖属性の魔法攻撃を全体に行う。魔法攻撃の達成値に+[4] 《烈火の怒り》:パーティスキル。火無効。セットアップで宣言すると、1Rの間戦闘力+1。2回まで使用可能。 アイテム:なし 戦術: 1R目 セットアップにセリフ「チャージ開始・充填率上昇」 基本的に攻撃は範囲攻撃:1を使った2人攻撃。命中判定2D6+9。対象2体 2R目 セットアップにセリフ「充填率上昇・戦闘力増加。」《烈火の怒り》使用。ラウンド中戦闘力+1。 攻撃の命中ダイス+1、回避ダイス+1 追加攻撃1回目使用。 3R目 セットアップにセリフ「エネルギーチャージ・完了」 魔法《セイント》使用。命中3D6+8。対象全体 追加攻撃2回目使用 以下ループ。追加攻撃は2回までしか行えない。 HPが半分を割ると、負傷状態になる。その際、凶暴化が発動し、戦闘力+1Dされる 演出:3Rごとにビームを打つ。それ以外の時は両手を振り回し、範囲攻撃を行う。 PCが3人以下の場合、または弱点をつけるキャラクターがいない場合は装甲値を5点まで減らすこと。 また、前のシーンで再調査に時間をかけた場合、再調査の回数×2点、すべての技能レベルが上昇する。 戦闘が終了すると、ゴーレムは爆散し、コアだけが残る。 コアを回収したところでクライマックスは終了となる。 *** ED グレイスを回収し、列車のところに戻ってきたところからシーンを開始する。 機関部の修理も終わり、君らの帰りを待っていたトニーたちに迎えられる。 グレイスの証言により、カーマはファルガイア鉄道の事務所に忍び込み、輸送計画を事前に知っていたことが判明する。 情報漏洩の手落ちがあったことが明らかになったため、奪われた責任などは一切問われず、ボーナスが出るという旨が伝えられる。 残り数日の旅も無事終え、ウェスト・ウェイポイント駅に到着し、ルインズコアを引き渡したところでシナリオは終了となる。 *** アフタープレイ。 シナリオの目的による経験点はグレイスの救出があれば10点、なければ8点とする。 FOEを倒した、の代わりにボスを倒したで+3点とする。 その他が満額であれば、23点の経験点となる。 基本的なシナリオの解説は以上である。 短めだが、システムの紹介のためのサンプルとしては、十分に機能するはずである。